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天体写真の自動コンポジットで位置がズレて合わない・失敗する時の対処法

自動コンポジットで位置がズレて合わない・失敗する時の対処法

ステライメージ8やDSS(Deep sky stacker)などで天体写真の自動コンポジットを行った時に、稀に位置ズレや回転ズレなどで失敗する場合があると思います。

僕なんて高感度多枚数コンポジットをするので失敗すると時間の無駄で結構痛い・・・

原因が何なのか試行錯誤していたのですが、最も大きな原因は写真が明る過ぎて恒星と背景の認識ができずにエラーになるんだと思うんです。

原因については他にも稀なエラー原因があるので最後に記載しています。

とにかく自動コンポジットで失敗すると画像処理どころじゃないので試行錯誤した結果、「RAW現像でレベルをある程度切り詰めて天体写真の背景を濃い目にしてから自動コンポジットすると成功する」って事です。

僕はRAWファイルをそのまま自動コンポジットしていたのですが、明るい写真(白っぽくなった写真)の場合はそのままコンポジットせずにRAW現像でレベル調整してからfitsやTiffファイルにして保存してから自動コンポジットに読み込む形にするとエラーが出なくなる事が多くなります。

ひと手間増えてしまいますが、こうする事で細かい位置も正確に合うようになりますし、そもそも失敗が減ります。

この方法で普通の天体だけの写真も星景写真も失敗する事は減り、位置合わせもピッタリ合うようになりました。

ステライメージ8では、簡単にバッジ処理で一括RAW現像ができるので意外と手間には感じません。

それといろんなエラーに対応できる方法もあるので、少し手間にはなりますが確実に位置合わせがしたい場合は下記もご参考にして下さい。

併用するときっと位置が合います。

動画で見る場合は下記からどうぞ。

位置がズレる・エラーの失敗例

よくある失敗例を3つほど挙げておきます。

星景写真の自動コンポジットの失敗例

上の写真はオリオン座~うさぎ座付近を撮影した星景写真ですが、渦を巻いたような比較明合成みたいな写真になってしまっています。

アンドロメダ銀河の自動コンポジットの失敗例

この写真はM31アンドロメダ銀河をカメラレンズで300㎜程で撮影したのですが、訳がわかりません!

完全なエラー・失敗例です。

で、もう1つ気が付きにくい失敗例なのですが、若干星が流れる失敗例です。

一見コンポジットが成功しているように見えるが失敗している星景写真

失敗例と成功例を拡大比較してみます。

左がRAW現像前にコンポジットした写真で右がRAW現像後にコンポジットした写真の比較です。左は星が流れており、右は星が流れていません。

左はRAW現像せずにコンポジットした写真で右がRAW現像後にコンポジットした拡大写真です。

左は星が流れています。

一見自動コンポジットが成功しているように見えますが、拡大して良く見ると失敗しているケースもあります。

では、自動コンポジットで失敗しない為の手順を記載しておこうと思います。

仕様ソフトはステライメージ8でやってみます。

バッジ処理で一括RAW現像

自動コンポジット前にバッジ処理で一括RAW現像をします。

ステライメージ8での手順ですが、やり方は下記の2パターンあるかなぁと思います。

僕は現状ダーク減算もフラット補正も行わずにコンポジットして画像処理をしています。

ダークフレームやフラットフレーム・フラットダークなどを撮影している場合は、RAW現像の前にダーク減算やフラット補正をする必要があるかと思いますので、それぞれのやり方に合わせて処理して下さい。

ダーク減算・フラット補正を行わないでコンポジットする場合

コンポジットする天体写真のRAWファイル1枚だけをとりあえず選択してクリックします。

コンポジットする天体写真のRAWファイルを1枚だけ開く

RAWファイルを開くダイアログが表示されるので、「ベイヤー配列」を選択して「OK」で天体写真を開きます。

RAWファイルをベイヤー配列で開く

するとモノクロのベイヤー配列データで天体写真が開きます。

ベイヤー配列で開いた天体写真

「設定」→「ワークフロー」でワークフロー設定画面を開きます。

ワークフロー設定画面を開く

ワークフロー設定画面の下の「記録開始」ボタンをクリックします。

ワークフローの記録開始ボタンを押す

この状態で天体写真をRAW現像していきますが、その前にベイヤー配列状態の白黒画像状態で「ホット/クールピクセル除去」を行ってからRAW現像を開始しても良いかと思います。

※事前にダーク減算している場合は必要ありません。

「フィルタ」→「ホット/クールピクセル除去」でダークノイズを処理してから下記に続いて下さい。

設定はホットピクセルとクールピクセル共に「しきい値=10%」で行ってみて下さい。

※ホットピクセルの輝点ノイズが位置合わせを狂わせている事もあります。しきい値0%だと凄く重くなります。

輝点ノイズを取り除けたら、「画像」→「ベイヤー・RGB変換」

をクリックして、RAW現像の設定画面を出します。

設定は今回は下記のようにして「OK(記録中)」をクリックします。

  • 「画像生成」:「カラー画像」
  • 「カラーフィルタ」:「自動」
  • 「色調整」:「ホワイトバランス調整」→「あり(撮影時)」、「ガンマ調整」→あり(1.00)、「最小値減算」→「なし」

RAW現像の設定画面

次にホワイトバランスを合わせます。

今回はオートストレッチでだいたい合わせておきました。

天体写真のホワイトバランスを合わせておきます。

で、この時の状態の天体写真がこんな感じで白っぽく明るい状態が一番位置がズレれる大きなポイントのようです。

このような明る過ぎる天体写真を自動コンポジットするとエラーになる事が増えます。

なのでレベル調整で最小値側を切り詰めて背景を濃くしてあげます。

レベル調整で切り詰めて写真を濃くしておくと自動コンポジットのエラーが無くなります。

次にワークフロー設定画面の「記録終了」ボタンをクリックして記録を終了します。

これでこの写真の画像処理のワークフローは終了させます。

ワークフローの記録はこれで終了です。

RAW現像した1枚の天体写真は保存せずにそのまま閉じてしまいます。

コンポジットしたい天体写真をバッジ処理で一括RAW現像をしていきます。

ワークフロー設定画面の右下の「バッジ実行」をクリックするとバッジ設定画面が表示されます。

ワークフローの「バッジ実行」ボタンをクリックするとバッジ処理設定画面が開きます

バッジ処理設定画面内の「ファイルから追加」をクリックして、コンポジットしたい画像をキーボードの「Ctrl+A」か「Shift」を押しながらマウスで選択して追加します。

バッジ処理設定画面の「ファイルを追加」ボタンをクリックしてRAWファイルを全て選択して追加する

バッジ設定画面の「対象ファイルリスト」に選択したRAWファイルが取り込まれますので、その下の「ファイル追加の処理後」と言う部分を「別のフォルダに保存」を選んで、「参照」から適当なフォルダを指定して下さい。

バッジ処理後の天体写真の保存場所を指定します。

「OK」をクリック。

「OK」を押すと「保存できない形式が含まれています。これらのファイルはFitsで保存してよろしいですか?」と表示されますが、気にせず「はい」をクリックして下さい。

現像設定画面が表示されますので、「ベイヤー配列」を選択して「OK」をクリックするとバッジ処理が実行されます。

ベイヤー配列を選択して「OK」を押すとバッジ処理が始まります

しばらく待つと設定したフォルダにRAW現像が完了したFitsファイルが作成されますので、それを自動コンポジット画面でライトフレームに読み込んでやれば、位置ズレや失敗なく正確にコンポジットされます。

ダーク減算・フラット補正を行ってからコンポジットする場合

※事前にマスターダーク、マスターフラット、マスターフラットダークを作成しておいて下さい。

RAWファイルを1枚ベイヤー配列で開いて下さい。

RAWファイルをベイヤー配列で開く

コンポジットする天体写真のRAWファイルを1枚だけ開く

「設定」→「ワークフロー」でワークフロー設定画面を開きます。

ワークフロー設定画面を開く

ワークフロー設定画面の下の「記録開始」をクリックします。

ワークフローの記録開始ボタンを押す

「画像」→「ダーク/フラット補正」をクリックして、それぞれ事前にコンポジットしたマスターフレームを指定します。

  • ☑ダーク補正→「マスターダーク」を指定
  • ☑フラット補正→「マスターフラット」を指定
  • ☑フラット画像のダーク補正→「マスターフラットダーク」を指定

ダーク減算とフラット補正の設定を行います。

「OK」をクリックするとダーク減算とフラット補正ができた天体写真が1枚出来上がりますので、次にRAW現像してきます。

後は下記のダーク減算・フラット補正を行わないでコンポジットする場合と同じ手順になりますので、下記から戻って下さい。

位置がズレる・エラー・失敗する原因

自動コンポジット前の天体写真が明る過ぎる

自動コンポジット前の天体写真が明る過ぎて恒星と背景の認識ができない事が最も大きなエラーの原因だと思います。

ですので上記のようにレベル調整で切り詰めて写真を濃くしておくと星の位置合わせがうまくいくようになります。

僕は天体撮影をした現地でヒストグラムを見て、真ん中から右寄りに撮影する事が多いんです。

露光オーバー気味に撮ると後の画像処理で淡い部分が出しやすくなるからです。

そうすると白っぽい写真になってしまうのですが、そのままコンポジットするとエラーになる事がわかりました。

レベル調整で写真を濃くしておけば殆どの場合位置が合うようになると思います。

壊れたファイルがある

稀にあることですが、位置が合わない・ズレる・失敗する原因の1つに壊れたファイルがあると言う事もありました。

どういう事かと言うと、RAWファイル(DNG)をカメラのRAW現像ソフト(Digital Camera Utility 5)やCamera Raw、PCのフォルダなどで見ても一見何にも壊れておらず、普通に見えます。

試しにカメラの現像ソフト(Digital Camera Utility 5)やCamera RawでRAWからTIFFに変換してみましたが普通に見れます。

でも、CANONのDPP4(Digital Photo Professional 4)でTIFFファイルを見てみると、1枚エラーで表示されないファイルがある事を発見しました。

PCフォルダを開けて見てもエラーはない
tiffに変換後にDPPで見ると1つだけエラーのファイルがある

不思議です。

DPP4はちゃんとエラーの写真を認識してくれています

で、試しにこのエラーファイルを外してステライメージ8やDSSで自動コンポジットをしてみると成功するんです。

なのでTIFF変換してからDPP4でエラーチェックして、エラーファイルを外して自動コンポジットをすれば成功するのですが、それって凄い手間だし、エラーファイルが勿体ない

今回のようにRAW現像してしまえば、このエラーファイルのエラーは解消されて使えるようになるんです。

この辺りの現象から、ソフトに問題があるんじゃなくて、そもそも出来上がったファイルに問題があるって事だと思うんです。

で、この現象は前に使っていた一眼レフ(CANON EOS x7i)の時もありましたし、借りたEOS X2やソニーのCyber-shot DSC-RX100M2でもありました。

なのでカメラの問題ではなくてSDカードの問題じゃないかと思うんです。

この自動コンポジットの不具合は滅多にないのはないです。

50回自動コンポジットをしたとしたら、その内1回くらいなものです。

ですから毎回RAW現像してからコンポジットしなくても良いかとは思うのですが、僕みたいに多数枚コンポジット(50~150枚)などをしていると失敗が痛い・・・

いっそのこと毎回RAW現像してから自動コンポジットをしようかとも思ったのですが、エラーが出た時だけにするかもしれません。

とにかくこれで自動コンポジットの失敗がなくなって、正確に位置合わせができたコンポジット画像ができるので、一度試してみて下さい。

「回転を計算」の☑ボックスのON/OFF

ステライメージ8の自動コンポジットに回転を計算と言うチェックボックスがありますよね。

いつも自動コンポジットする時に☑するかしないかが気になっていたのですが、こんな風にしています。

  • チェックボックスOFF:赤道儀の追尾がうまくいき、最初から最後まで普通に撮影できた場合
  • チェックボックスON:赤道儀で追尾中に位置合わせ(中央に修正など)の為にコントローラーで調整した場合や追尾があまりうまくいかずに良く流れるコマがある場合

こんな風にチェックボックスの有無を考えて入力しています。

これもRAW現像した後の自動コンポジット時に☑を入れるか入れないかを選択しています。

また、僕は現在PENTAX-KPを使っていますが、リアルレゾリューションをON(LRGB合成撮影)にした場合はチェックボックスをONにした方が位置が合います。

リアレゾはLRGBの4枚の画像をカメラが自動で合成するので、出来上がったそれぞれの画像の位置が微妙に違うので複数コンポジットをすると細かい位置ズレがあるんじゃないかと。

なのでリアレゾの場合は回転ズレを☑しておくと位置が合うんだと思います。

リアレゾの場合はRAW現像後に回転ズレの☑ボックスをONにして自動コンポジットって形にしています。

カメラレンズのガタ

自動コンポジットの位置ズレやエラーの原因の1つに、「カメラレンズなどにガタがあって総露出時間が長い場合」などにコンポジットに失敗するって事も気が付きました。

冒頭にも記載しましたが、これに関しては下記の後半をご覧ください。

P.S メトカーフ自動コンポジットでエラーになる原因はまた少し違う場合があるので、彗星の自動コンポジットでエラーが出る場合は上記をチェックしてみて下さい。

コンポジットの基本的な事については下記からどうぞ。

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こういうので星空写真を撮ってみたい。

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