撮影機材

買ったらまずやろう!スカイメモSの光軸調整

スカイメモSの極軸望遠鏡のレクチルの写真に光軸調整と赤い文字で書かれた画像です。

スカイメモSに限らず赤道儀を買ったらまず極軸合わせうんぬんの前に極軸望遠鏡の光軸調整をしましょう。

光軸を正確に調整しておかないといくら北極星で極軸合わせをやっても、カメラで露光すると星が流れた写真になってしまいます。

これはスカイメモに限らずどの赤道儀でも言える事だと思います。

追尾精度を上げる為に光軸調整をしっかりして光軸を合わせておきたいですね。

光軸調整は赤道儀のセッティングで一番最初にやること

赤道儀って「光軸調整」とか「極軸合わせ」とか「目盛り環」とか何なんだよ?って感じですよね。

セッティングの順番は「①光軸調整」「②目盛り環の調整(アプリで極軸合わせをするなら必要ない)」「③極軸合わせ」って感じです。

今回はこの中の一番最初にやる「光軸調整」についてスカイメモSを使ってやってみたいと思います。

スカイメモSの光軸調整

スカイメモSに限らず多くの赤道儀に付いているこの極軸望遠鏡。

極軸合わせをする際に必要な代表的な機材です。

これがスカイメモS本体に内蔵されている極軸望遠鏡です。レンズを覗くとレクチルが見えますよ。

スカイメモSの極軸望遠鏡

赤道儀のクラッチを開放してプレート固定クランプってのを指でつまんでグルグル回転させると極軸望遠鏡も一緒に回転します。

極軸望遠鏡の対物レンズ側から見たスカイメモSです。左のツマミがプレート固定クランプで、丸いリングがクラッチです。

スカイメモSの極軸望遠鏡の対物レンズ側から見たプレート固定クランプとクラッチ

この極軸望遠鏡の中を覗くとレクチルパターンが書かれていてそこに北極星を入れて極軸合わせをするのですが、グルグル回転させた時に極軸望遠鏡のレクチルの中心がズレている(偏心している)とレクチル通りに北極星を合わせてもあまり意味がない事になってしまいます。

左が極軸望遠鏡のレクチルの位置が合っている状態で右がレクチルがズレている状態です。

【左】レクチルの位置が合っている【右】ズレている

※前のイラストは間違っていたので書き直しました。失礼しました((+_+))

光軸がズレているのに北極星を入れて極軸合わせをしても正確に合っていないので星が流れちゃうんですね。

だから何より一番最初に正確にやっておきたいセッティングが光軸調整って事になります。

光軸調整の準備

まずは三脚に微動雲台を取付けてその上にスカイメモS本体を取り付けて安定させます。

光軸調整だけなら水準器で正確に平行にする必要はありませんが、この後に目盛り環の設定をする方は平行にする必要があるので最初から水準器で合わせておくと良いかと思います。

この時バランスウェイトは取り付けず、クラッチは緩めてフリーにして赤道儀が回転できるようにしておきます。

そして遠くにある鉄塔の頂点やビルなどを探します。

大体1kmも離れていれば十分なようです。

極軸望遠鏡を覗いて微動雲台の上下左右のレバーでレクチルの十字線の中央に鉄塔の先端やビルの角などに入れます。

スカイメモSの極軸望遠鏡のレクチル内の画像です。遠く離れた鉄塔の先端を十字線の中央に合わせました。

レクチル内の十字線の中央に鉄塔の先端を合わす

光軸のズレを確認

鉄塔の先端をレクチルの十字線にセット出来たら、極軸望遠鏡を覗きながらプレート固定クランプを優しくつまんで赤道儀をゆっくり180度回転させてみます。

すると中心に合わせていた鉄塔の頂点が十字線の中心からズレてしまいました。

※僕の場合は購入した時に合ってましたが、記事を書く為にわざわざずらしました。些細な事で光軸はズレますし、一生正確な訳がないので定期的に確認した方が良いですよ。

左のレクチルは中心部を指していますが、180度回転させると右の画像のように光軸がズレている分、十字線の位置が右側に位置ズレしています。これが光軸のズレです。

180度回転させて光軸の位置ズレを確認

このズレを無くすのが極軸望遠鏡の光軸調整です。

光軸調整のやり方

微動雲台でレクチルの十字線を鉄塔の頂上に合わせます。

まずは先ほどのように180°程回転させた時の位置を確認します。

十字線と鉄塔の頂上がズレたら、ズレた十字線の中心と鉄塔の先端の中間位に十字線が来るように調整します

鉄塔の先端と十字線の中間を現した画像です。赤いポイントが中間位置です。

鉄塔先端と十字線の中間の位置

光軸の調整は極軸望遠鏡の接眼部側(覗き口側)の外周にある小さな六角イモネジ3本で光軸を調整します。

付属の4mmの六角レンチではできないので、別途1.5mmの六角レンチを挿して調整します。

スカイメモSの極軸望遠鏡の光軸調整はこの〇と書かれた部分の六角のイモネジで行います。×は経度差目盛りリングのネジです。

【〇】光軸調整用イモネジ(裏側に後2本で計3本あります)【×】経度差目盛リング用イモネジ(1個だけです)

非常に微妙なシビアな作業です。

3本の内2つのイモネジを緩めて1本を締めたりしますが、丸い筒状の物を3点で調整しますし、尚且つ視野が反転しているのでどう動くかかが把握しにくいです。

極軸望遠鏡の光軸調整用イモネジ3点の位置がわかるイラストです。

イモネジ3点で調整

脳内処理して調整するか?あまり考えず「このネジ緩めてこのネジ締めたらコッチに動く」的な視覚でやるかってところです。

ネジを締めすぎて極軸望遠鏡を破損しないようにして下さい。

このネジはホンのちょっと回すだけで大きな変化がありますので微妙に回してやって下さい。

締める力加減だけでも光軸が変化します。

1回目の光軸が調整ができたら微動雲台を操作して再び十字線を鉄塔の頂上に合わせます。

再び180°回転させます。

先ほどよりもズレが少なくなっていますが、更に調整をして回転させてもズレないように追い込んで下さい。

あまりに微妙でやってられなくなりますが諦めずに追い込んで下さい。

もう疲れた!?終わり!ってところまで頑張って下さい。

光軸合わせをしておかないと星が流れちゃうことを思い出して頑張って下さい。

左は回転前で右は開店後です。180度回転させても十字線がズレていないので光軸が合った事になります。

【左】回転前【右】回転後

頑張って光軸を調整した結果、めでたい事にまずまず合いました!

そして車で観測地に運んで光軸を確認して下さい。

車で運んだ振動でズレたりしている事があります(;’∀’)

その他に

  • 極軸望遠鏡のキャップを外す時にカポッと外したら当たって光軸がズレる
  • 極軸望遠鏡のピントリングを回そうとして手が当たって光軸がズレる
  • 暗い現地で北極星にて極軸合わせをしようとして極軸望遠鏡に頭が当たって光軸がズレる
  • 撮影中に暗くて足元に置いていた椅子につまずいて極軸望遠鏡を握ってコケずに済んだけど光軸がズレる
  • 後片付け時に極軸望遠鏡のキャップを取付けようとして油断して当たって光軸がズレる
  • 極軸望遠鏡のキャップをするのを忘れてキャリングケースにドンって入れて「あっ」て気が付く

現場では何が起こるかわかりません。

暗闇で極軸望遠鏡の3本の小さなイモネジを1.5mmの六角レンチを使って光軸調整するのは結構厄介です。

光軸がズレないように大切に扱いましょう。

僕は毎回クルクル回して一応光軸がズレていない事を確認してから北極星で極軸合わせをしています。

ちなみに超広角レンズで露光1分位で撮る星景写真だと少々光軸がズレていても気になりませんが、焦点距離300mmとかで2分も3分も露光するならやっぱり正確に光軸調整しておかないと星が流れて気になります。

スカイメモSはカメラレンズだけじゃなくて小型の望遠鏡まで載せられるポータブル赤道儀なので、せっかくなので正確に合わせておくと良いかと思います。

極軸合わせについてはまた記事を書こうと思います。

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