「スカイメモSの微動雲台のロックするレバー(ハンドル)って弱くね?」って話をチラホラ聞いていたのですが、分解してわかったのが壊れないように空転する構造になっていました。
レバーを強く締めようと手で回してトルクを掛けていくとグルっとレバーが空転するんですね。
機材の破損防止の安全機構のようですが、もう少し強く締めたい気がするのでネジ1本変えました。
このネジ1本変えただけで空転が無くなりガッチリになりました!
元の経度固定レバーをそのまま使ってますので使い勝手も見た目もそのままです。
しかし!?
しばらく使用していたらレバーが壊れてしまいました・・・
その後、ナット仕様にしました。
更に金属のレバーがあると教えて頂き、現在は金属クランプレバーを取付けております!
微動雲台の経度固定レバーの空転を無くす
スカイメモSの微動雲台の経度固定レバーってこれです。
北極星に高さを合わせてこの経度固定レバーを回してロックするのですが、これを強く締めてトルクを掛けていくと破損防止の安全機構が働いて突然クルッと空転します。
そこまで締めなくても天体写真に今のところ問題ないのですが、何となくもうちょっと締め付けておいた方が安心感があるのでこの空転を無くそうと思います。
経度固定レバーの分解
分解って言ってもただネジを外すだけです。
分解するとこんな部品と構造になっていました。
左から
- ワッシャー(ロゼットワッシャーみたいなの)
- 前後ナットテーパーギア
- 経度固定レバー(中はナットとテーパーギア)
- スプリング
- 段付きネジ
としておきます。
レバーの中はテーパーギア受けになっていて、そこに前後ナットテーパーギアがハマっている。
写真ではうまく撮れなかったので図で書くとイメージ的にはこんな感じ。
うまく書けませんが何となくわかって下さい(;’∀’)
経度固定レバーの外側はスプリングが入っていて段付きネジで締め付けている構造でした。
要するに普通のギアとギア受けじゃなくて、テーパーで噛み合っているギア同士がある一定のトルクが掛かると外側にズレるようになるのでバネを押して噛み合いが外れて空転する。
空転した勢いで更にそのままレバーが回るとスプリングの力で前後ナットテーパーギアが戻ってギア受けにハマって元に戻る構造みたいです。
車好きの方なら自動車のトランスミッションやデフを分解するとこういうテーパーになったギアとかベアリングがたくさん入ってるので良く見ると思います。
その他いろんなところにテーパーギアが入ってますよね。
このレバーの場合は締め付け過ぎて壊れないようにする為の安全機構って感じですね。
ただ、私はもうちょい締め付けたいんです!
ネジ1本を交換するバージョン
経度固定レバーの外側の段付きネジとスプリングを外して、そこにM3×長さ10mm(ピッチ0.5)のネジに交換するバージョンです。
一応M3ワッシャーを入れておいても良いかと思います。
※今回はプラスネジを使いましたが、六角ネジのM3×10mm(ピッチ0.5)も良いかもです。
※写真には今写ってませんが、左に元々付いてるロゼットワッシャーか普通のワッシャーを足しておいた方が良いと思います。
前後ナットテーパーギアは段付きネジの段差分外側にが押し出されるので、そうならないようにこのネジで固定してしまう形です。
こうしておけばテーパーギアが噛み合った状態で固定されるので外側に押し出されることもなくなりガッチリ固定されます。
そもそもレバー自体も樹脂製なのであまりにトルクを掛け過ぎるとどうなるかわかりませんが、そこまで締め付けなくても十分ガッチリ固定できるので全く問題ありません。
改良後も見た目も変わらずそのまま経度固定レバーが使えます!
これで重い機材を積んで天体写真を撮る時にも安心感が増して快適です。
元々の構造のまま締め過ぎて何回も空転させていると、ギアとギア受けが樹脂製なので徐々に摩耗して段々締め付けられるトルクが下がってガタが出てくるかもしれません。
「既にガタが大きくなってしまった方」や「いやいやもっとガッチリ固定したい」って方は次の方法を。
ナットで固定するバージョン
完璧にロックしたい場合はナットに交換するバージョンが手っ取り早いと思います。
ロゼットワッシャーのみ残してM10ナットで取付ける形です。
車で運んだ振動で緩んでナットが外れて無くなるのが心配ならM10スプリングワッシャーを入れておいても良いかと思います。
この場合はナットがボディと面一になっているのでスパナやメガネレンチでは締め付けられないのでラチェットレンチで締め付ける形です。
これなら文句なしに完璧にロックできますが、ラチェットを使用しないといけないので少々面倒ですし、締め過ぎて壊さないように注意した方が良いですね。
撮影前は微動雲台に緩みがないか確認しよう
天体写真を撮る時はもちろんですが「極軸望遠鏡の光軸合わせ」や「目盛環の調整」や「北極星での極軸合わせ」などを行う時に微動雲台の各部に緩みが無いかを確認しておいた方が良いですね。
何で星が流れるの?何で写真がブレるの?って時はこういう緩みが原因の場合もあると思います。
ただ、スカイメモS本体のクラッチは撮影が終わったら緩ませて保管している方が良いと思います。
赤道儀全般に言えると思いますが、軸をロックしてベアリングに負荷を掛けたまま保管していると劣化の原因になると思います。
基本的には使用後は軸受けのロックを開放して緩ませておく方が赤道儀は断然長持ちします。
何十年も使えます。
車でも何でも大体ベアリングが最初にヘタってくる事が多いので、是非赤道儀のロック(クラッチ)は緩ませて保管しておいて下さい。
微動雲台の締め過ぎに注意しよう
今回は微動雲台の経度固定レバーを強く締める方法を書きました。
このネジ1本交換するだけでもかなり強く締める事ができるので、締め過ぎて破損したりしないように注意して下さいね。
天体写真がブレたり星が流れたりしない最小限の強さで締め付ければ良いかと思います。
元々メーカーさんが壊れないようにしてくれているようですので、それを無視する形になるので自己責任でお願いします。
ただ、個人的にはもうちょっと締めたいかなぁと思った次第です。
でもこれで凄く安定する安心感のある微動雲台になるので良かったら試してみて下さい。
微動雲台のレバー破損!?分解したら思わぬ発見!!
自分で注意しようと言っておきながらやっちゃいました(;’∀’)
微動雲台のレバーを破損させちゃいました・・・
仕方ないのでナット仕様に変更。
その際に一回構造がどうなってんのか徹底的に分解してみたら思わぬ箇所が緩んでいました。
左右に動かして調整する部分なのですが、中の金属の筒がグラグラ。
北極星がピタッと止まらないなぁと思っていたのはこの部分の緩みだったのかも。
他にも強化できそうな部分も発見したので良かったら下記の動画をご覧下さい。
【動画】スカイメモSの微動雲台のレバー破損!?分解したら思わぬ発見!!
- 00:14 スカイメモS微動雲台のレバー破損状況
- 00:51 スカイメモS微動雲台の分解
- 02:30 もうちょっと分厚い方が良い気がする高度調整部分の隙間に入っている大きな樹脂ワッシャー
- 06:42 底の金属の筒が緩みやすいポイント
- 15:44 微動雲台を分解して発見した事や改善したい点
微動雲台の樹脂レバーを金属製クランプレバーに改造しました!
スカイメモSの微動雲台の樹脂レバーが折れ、ナットに交換し、更に金属レバーに変更しました。
上の動画をアップしたらコメントでこの金属レバーをご紹介頂きました。
コメントくれた方ありがとうございます!
このレバーって「クランプレバー」と言うらしいのですが、スカイメモS微動雲台専用金属レバーと言っても良い位めちゃいいです!
単純に元の樹脂レバーを外してこれに付け替えるだけです。
ナットで締めていた時はナットが面一になっているのでラチェットで締め付けなければいけないと言う面倒さがあったのですが、この金属レバーなら使い勝手が良いです。
これで操作性も良く、尚且つガッチリ強化できました。
これで快適に天体写真が撮影できそうです!
この金属製クランプレバーはM6を購入する必要がありますので、下記にリンクを貼っておきます。
スカイメモの微動雲台を使用している方におススメです!
スカイメモの微動雲台を使っている方に超おすすめ!
金属レバーの改造でスカイメモの微動雲台が快適に使えるようになりました。
これでもう安心かも。