NEXPOW YP150って言う安くて超小型なポータブル電源を天体写真の撮影用に購入したので機材レビュー。
赤道儀や一眼レフカメラやレンズヒーターなどの給電に使ってます。
大容量のポータブルバッテリーを購入するのも1つですが、僕はノートPCとか現状使っていないので安くて小型の電源やモバイルバッテリーで動かしています。
車のシートの下にも置ける邪魔にならない凄いコンパクトバッテリーはマジで便利!
3.ポータブル電源【NEXPOW YP150】のレビュー
NEXPOW YP-150がどんなポータブル電源なのかをレビューしたいと思います。
スペック
まずはこのポータブル電源のスペックを記載しておきます。
- 【品名】NEXPOW YP150
- 【バッテリー容量】178Wh(3.7V/48000mAh)
- 【DC出力】定格12~16.8V / 7A、最大108W
- 【AC出力】110V/60Hz 定格120W(最大150W)純正弦波
- 【USB Type-A出力】5V/最大2.4A×2ヶ所
- 【USB Type-C出力】USB-PD3.0対応 5V/9V/12V/15V/20V 最大3A/45W
- 【サイズ】縦8cm/横22cm/高さ10cm
- 【重量】1.6kg
- 【動作温度】-20℃~60℃
- 【付属品】本体/USB-Cケーブル/AVアダプター/DC出力用シガーソケットケーブル/取扱説明書と保証書
セット内容
セット内容は6点。
これで価格が1万円ちょっとは安いですよね!?
- NEXPOW YP150 ポータブル電源本体
- AC電源アダプター(AC充電用)
- USB Type-Cケーブル(PD3.0)
- シガーソケットケーブル(DC充電用)
- シガーソケットアダプター(DC出力用)
- 取扱説明書と保証書
付属のUSB Type-CケーブルはPower Delivery 3.0で45Wの高速充電できるし、ACアダプターでもできて良いですね。
僕はいつもUSB Type-Cで充電しています。
サイズと重量
ポータブル電源にしては凄くコンパクトサイズで「縦8cm/横22cm/高さ10cm」。
カバンにでも入りそうですし、重量も1.6kgと軽くて取っ手が付いてて片手で余裕でプラプラ持てます。
バッテリー容量
バッテリーの容量は「178Wh(3.7V/48000mAh)」となっています。
実際使っていて特にスペック詐欺とかはないと思いますよ。
モバイルバッテリーもそうですが、よくこの手のバッテリーは容量詐欺だ!とか言うレビューを見ることがありますが、多分セルが3.7Vで実際に使用するのが5Vや9Vや12Vが多いので昇圧換算していないだけの場合が多い気がします。
殆どのモバイルバッテリーやこのポータブル電源は1セルが3.7V。
3.7Vで使用する場合は「178Wh÷3.7V=約48,000mAh」ですが、5Vで使う機材が多いので5Vで換算してみますね。
5Vで使用する場合は178Wh÷5V=35,600mAhが使用可能容量となるかと思います。
9Vで使う場合は178Wh÷9V=約19,800mAh。
12Vで使う場合は178Wh÷12V=14,800mAh。
ただ、完全に0%まで使い切れる事はないので90%を掛けた数値が使用可能量だと思います。
まぁどのモバイルバッテリーもポータブル電源もこの辺りまで記載してくれているとわかり易くて良いんですけどね。
このNEXPOW YP150はしっかり「3.7V」を表記してくれているので親切な方だと思います。
AC出力(コンセント)
NEXPOW YP150はコンセントを差し込めるAC出力が1つあって凄く便利です。
- 波形=正弦波
- 周波数=60Hz固定
- 電圧=110V
- 定格出力=120W
- 瞬間最大出力=150W
- 個数=1つ
AC出力の使い方は、本体の電源ボタンを数秒長押しにすると左側の「AC」と書かれた上に緑色のランプが点灯するので、そうなればコンセントが使用できるようになります。
さて、AC出力でまず確認したいのが波形。
波形は「正弦波」「純正弦波」「修正正弦波(非正弦波)」「矩形波」などがありますが、このポータブル電源は有難い「正弦波」です。
何が有難いかと言うと、簡単に言うと「いろんな家電に使えるいい製品」です。
正弦波なら便利な訳です。
次に周波数は60Hz固定となっています。
ポータブル電源で50Hz固定と言うのは見たことがないです。
「50Hzと60Hzの切り替え」若しくは「60Hz固定」じゃないですかね。
切り替えがベストですけど、こういう小型のポータブル電源は60Hz固定が普通だと思います。
ACアダプターが付いている機材は使えるし、インバーター内臓だと使えるし、殆どの家電は使えますね。
僕は12Vの赤道儀やノートパソコンなどに使っています。
エアコンとか換気扇とかそういうのは無理だろうけど、そもそもそんな物に小型のポータブル電源を使わないので問題ないかと思います。
そして電圧。
電圧は110Vとなっているので海外で多い電圧ですね。
日本は珍しい100Vの国。
でもACアダプターが付いている製品は110Vでも全く問題ないです。
ただ、ACアダプターがない家電で使用すると稀に熱を持ったりヒューズが飛んだりするものもあるかもしれないので、そこは自己責任でしょうね。
僕は110Vのポータブル電源をいくつか使った事がありますが、今のところ何も問題ないです。
ポータブル電源は110Vが多いですよね。
後は定格出力が120Wで瞬間最大出力が150Wとなっていてまずまず良いですよね。
しかし、AC出力(コンセント)を使っている時はUSB端子が使用できなくなります。
コンセントを使用しながらUSB端子も使いたい場合は、コンセントとUSB端子が付いたカーインバーターなどを別途購入してDC端子から繋ぐと使えるようになりますよ。
USB Type-A端子
USB出力は
- USB Type-A(5V/2.4A)=2つ
となっています。
5V/2.4Aでまぁまぁ良いですよね。
僕はスマホやポータブル赤道儀、カメラレンズヒーターに使ってます。
USB Type-C端子
USB Type-C端子PD3.0。
PD3.0は「Power Delivery 3.0搭載」で「5V/9V/12V/15V/20V」「最大3A/45W」の入力ができるので高速充電可能です。
ケーブルが付属していますので、僕はいつもUSBで高速充電しています。
4~5時間位あれば48,000mAhが満タンになりますよ。
なんかよくわかりませんが99%までは超早く充電するのですが、最後の99%~100%の最後の1%だけ結構時間が掛かります。
他の皆さんも言っているのでそういう仕様のようですね。
DC端子
DC端子は入力(DC-IN)と出力(DC-OUT)がそれぞれ1つずつあります。
DC入力端子(DC-IN)
DC入力端子(DC-IN)は付属のコンセント差し込み式のACアダプターが付いた充電器がありますので、片方をコンセントに挿し、片方をDC入力端子に挿して充電できます。
また、車のシガーソケットからも充電できるアダプターが付属されているので、片方は車のシガーソケットに挿し、片方をDC入力端子に挿して充電できます。
なので充電方法は
- 家のコンセントで充電可能
- 車のシガーソケットで充電可能
- USB Type-Cで充電可能
と3種類の方法で充電できてめちゃ便利です。
DC出力端子(DC-OUT)
DCの出力は1つで「定格12~16.8V/7A/最大108W」です。
車で使用するようなシガーソケットタイプの機材を使用できます。
ただ、本体にシガーソケットプラグを直接ハメ込む穴はないので、本体にシガーソケットアダプターを挿してそこにシガーソケットプラグを挿す形です。
僕はビクセンのSP赤道儀スーパーポラリスとスカイセンサー2000PCを動かすのに使っています。
また、このDC端子に別途購入したコンセント1つとUSB端子2つが付いたインバーターを取付けて、コンセントにはカメラの給電、USBにはポータブル赤道儀とカメラレンズヒーターを取付けて使用したりもしています。
AC出力時はUSB端子が使えないけど、DC出力時はUSB端子も使えます。
この小型のポータブル電源は天体撮影にも使えるし、普段車に積んでおいても邪魔にならないし、万が一の災害の時の為にも安心だし凄く重宝しているので後いくつか購入しようか考えています。
でかいポータブル電源もいいけど、小型を複数持つのもありだと思いますよ。
とにかくコンパクトなので車のシートの下でもどこに置いても邪魔にならないのが最高です!
天体撮影とポータブル電源【NEXPOW YP150】
元々このポータブル電源(NEXPOW YP150)は天体撮影用に購入しました。
「ポータブル赤道儀+一眼カメラ+レンズヒーター」の給電に使ってみた
カメラレンズで星景写真とか天体を撮影する為にポータブル赤道儀であるスカイメモSを購入しました。
スカイメモSは恒星追尾時は「5V/70mA=0.35W」
単三乾電池4個で29時間位追尾できる。
購入当初は「乾電池」「エネループ」「モバイルバッテリー」などでポタ赤を動かし、別途カメラの給電は予備バッテリーを1時間おき位に交換して使っていました。
ただ、カメラのバッテリーを交換するのが面倒になって、カメラの給電用にPENTAX-KPのACアダプターを購入しました。
カメラの給電はコンセントが必要になるのでこのコンセント付きのポータブル電源を購入。
PENTAX KPは「8.3V/1A=8.3Wh」位とします。
後はカメラレンズヒーターが「5V/1A=5Wh」
スカイメモS+PENTAX KP=13.65Wh
機材全体で約14Whとすると10時間で136.5Wh。
昇圧変換を15%位とすると136.3Wh×115%=約157Wh
ポータブル電源の容量が178Whで必要な電力は約157Wh。
21Whは余る形ですが178Whを完全に使い切れる訳ではないので、スカイメモ+カメラ+レンズヒーターを10時間場合は夏だと大丈夫そうですが、冬だと厳しいかもしれませんね。
実際夏は今現在10時間位使っていて全く問題なくバッテリーは余っています。
冬も大丈夫かもしれませんが、実際使ってみてまた記載したいと思います。
でももし電力が足りないようだったら、カメラレンズヒーターだけ別途モバイルバッテリーで使用すれば問題なく使える感じですね。
実際使ってみてそんな感じでした。
モバイルバッテリーやポータブル電源の計算機をそれぞれ作ってみたので、あなたの機材で計算してみて下さい。
ただ、この3つの機材を「NEXPOW YP150」1台で繋ごうとすると
- 5V=スカイメモS(USB接続)
- 5V=カメラレンズヒーター(USB接続)
- 8.3V=一眼レフカメラ(ACアダプター接続)
となっているのですが、このポータブル電源はAC入力(コンセント入力)を使用している時はUSB接続が機能しなくなります。
これを回避する為にちょうど車に積んであった「コンセント1つ+USB2つ」が付いたカーインバーターを使ってDC-OUTに接続して出力しています。
上のカーインバーターは売り切れちゃったのですが、下記のようなのがあれば使えます。
「赤道儀+自動導入コントローラー」の給電に使ってみた
僕はもう一台天体望遠鏡での写真撮影にビクセンの「SP赤道儀スーパーポラリス」と自動導入コントローラー「スカイセンサー2000PC」を使っています。
2つ合わせての消費電流は図ったことがないのですが、大体1.5Aで10時間使用したとすると・・・
- 12V/1.5A=18Wh×10h=180Wh×115%=207Wh
NEXPOW YP150のポータブル電源は178Whで90%取り出せるとすると約160Whなので足りませんね。
計算上はそうですが実際使っていて余裕で一晩持ちました!
実働の電流は常時1.5Aも無くて0.5A位じゃないか?ってくらいの余裕がありました。
多分赤道儀を高速で導入時などに最大で1.5A位掛かる時があるってだけで、追尾中はかなり少ない電流で動いているみたいです。
19時頃から電源を入れて朝4時頃で70%近く残っていました。
嬉しい誤算です!
もしカメラの電源も一緒に撮るならちょっとギリギリ過ぎるかもしれないので、Jackeryのポータブル電源(240Wh)位が必要そうです。
スカイセンサーは今はカーバッテリーで給電しているので、バッテリーが弱ったら考えるとします。
カーバッテリーよりポータブル電源の方が電力供給が安定しているのでその方が良いのかなぁ?
オートガイドとノートパソコンで天体撮影する方のバッテリーは?
僕はまだオートガイドは使っていないのでノートパソコンも天体撮影には使っていないのですが、ベテランの方は使っていますよね。
あれって一体どの位のバッテリーを用意してるんだろう?
ノートPCが一番電力使っている感じがする。
ディープサイクルバッテリーをいくつか持ってたり、大型のポータブル電源をいくつか持ってたりするんでしょうかね?
僕はなるべくバッテリーを少なめで使用したいのですが、いつかそうなってしまうのかなぁ・・・
先日使用時間から総電力量(Wh)を計算する計算機を作ったので「赤道儀+ノートパソコン+オートガイド+カメラ+レンズヒーター」で計算してみましたが、恐らく700Wh位のポータブル電源が必要じゃないかなぁと思っています。
ちょっと長くなるのでまた別途記事を書こうと思います。
天体撮影にはモバイルバッテリーやポータブルバッテリーなど電源確保に試行錯誤しますね。
uPyCさんへ
ACコンセントとUSBが同時に使えると最高な一品なんですけどね。
DCの場合は同時にUSBは使えると言う形ですね。
お役に立てて何よりです。
12VとUSBを同時に使えるか知りたかったので、とても参考に成りました。
ありがとうございます。