撮影方法

長時間露光vs短時間露光を総露出時間を合わせてテストしてみた

長時間露光vs短時間露光を総露出時間を合わせてコンポジットのテストをしてみました

天体写真の撮影方法で良く議論される総露出時間が同じ場合の低ISO長時間露光×小枚数コンポジットvs高ISO短時間露光×多数枚コンポジット

いろんな方が検証記事を書いて頂いているのですが、自分も気になってテストしてみました。

ただ、今回は天体写真ではなくて家の室内にある物置に床にpentax-kpを置いてテストしてみました。

理由は、

  • 天体写真だと空の状況や気温・湿度・明るさなどがその都度変化してしまう
  • 1枚1枚のヒストグラムが結構変わってしまう
  • ガイド状況によって星にズレが生じてしまう
  • 画像処理した天体写真で検証しても、画像処理の少しの誤差でテスト結果が良くわからなくなる
  • 天体で検証している方はいるが、変わらないと言う意見が多いようだった

そういうのが気になり、家の温度と湿度をエアコンで一定にして明るさも一定。

テレビなどの光の変化を避けられる部屋にある物置にpentax-kpを置いてテストしてみました。

検証結果はどちらが良いかはよくわかりませんでしたが、オートガイドがない僕の今の撮影方法である「高ISO短時間露光×多数枚コンポジット」でも十分綺麗な天体写真が撮れそうだなと思いました。

なので、今後天体写真を撮影する時は、ISO25600位で30秒前後の露光時間で100~200位のコンポジットを1セットとしようと思います。

初心者の方でもスタック(コンポジット)すれば綺麗な写真を撮れそうですよ!

ただ、PENTAXのリアルレゾリューション(LRGB合成機能)を使うなら、1回の撮影が30秒ならば計4枚必要なので2分星を止めなくちゃいけないので、その場合はオートガイドが必須ですし、F値の暗い望遠鏡やISO感度が低いカメラしかない場合もオートガイドが必要でしょうね。

pentax-kpでの検証結果は次の通りです。

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テスト設定とソフト

総露出時間とISO感度とコンポジット枚数

今回のテストは総露光時間を30秒と決めてISO100~25600までをそれぞれ明るく白飛びしないように明るさをマイナス3で少し暗くなるように撮影しました。

但し、ISO400とISO800はカメラの設定上、物理的に30秒に合わせられないのでコンポジットした時の総露光時間が32秒となってしまっていますので比較する場合に排除してもらえれば良いと思います。

  • ISO100・30秒・1枚=30秒
  • ISO200・15秒・2枚=30秒
  • ISO400・8秒・4枚=32秒
  • ISO800・4秒・8枚=32秒
  • ISO1600・2秒・15枚=30秒
  • ISO3200・1秒・30枚=30秒
  • ISO6400・1/2秒(0.5秒)・60枚=30秒
  • ISO12800・1/4秒(0.25秒)・120枚=30秒
  • ISO25600・1/8秒(0.125秒)・240枚=30秒

使用ソフト

RAW現像及びコンポジットに利用したソフトはステライメージ8の自動コンポジットです。

自動コンポジットの設定は

検証する為にステライメージ8の自動コンポジット設定は全てOFFにしました

  • ホットピクセル/クールピクセル除去=なし
  • 階調調整(レベル調整・色調整・オートストレッチ)=なし
  • 方式=加算平均
  • 自動位置合わせ=なし
  • ガイド状態で選別=なし

DEEP SKY STACKER(DSS)でも行いましたが、結果は特に変わらなかったので今回は割愛します。

動画にはDSSの分も一応載せてます。

検証結果

以下はISO100~ISO25600までの写真です。

レベルは「最小値1168」「最大値21357」に合わせています。

レベルを「最小値1168」と「最大値21357」に合わせたiso100~25600の9枚の検証写真

総露出時間は同じでも、ISO感度が上がるにつれてバラツキはありますが基本的に明るくなっているようです。

センター付近を拡大してみます。

レベルを「最小値1168」と「最大値21357」に合わせたiso100~25600の9枚の検証写真の中央を拡大しました

ISO100は暗いけどディテールはあるけどギザキザした感じです。

対してISO25600は明るくなってディテールは滑らかな感じだけどボヤけていると言われればそうかもしれません。

ここでヒストグラムを比較してみます。

レベルを合わせたISO100~25600のヒストグラムの比較

総露出時間が同じ場合、ISO感度が低いと狭くなり、ISO感度が上がるにつれて広い幅を使っている

一応ピーク時も入れたヒストグラムも表示しておきます。

レベルを合わせたISO100~25600のピーク時も表示したヒストグラムの比較

総露出時間が同じだと基本的にはISO感度によって使用している幅が広くなるようです。

これはどういう意味があるんでしょうか?

ISO感度を上げるとヒストグラム全体を使う方向にいくようです。

ここからはISO100とISO25600に絞って比較していこうと思います。

ISO100とISO25600の比較

まずは総露出時間が各々30秒の「ISO100・30秒・1枚」と「ISO25600・1/8(0.125秒)・240枚」の広角写真を見てみます。

「ISO100・30秒・1枚」と「ISO25600・1/8秒・240枚」の写真とヒストグラムの比較です。

やはり総露出時間が同じだとISO感度が上がるにつれて広い幅を使っていますね。

それではまずは赤い付近を拡大してみます。

赤い部分を拡大した「ISO100・30秒・1枚」と「ISO25600・1/8・240枚」のそれぞれ総露出時間が30秒の比較画像

ISO100は暗くてギザギザした感じですが、言い換えればクッキリしている感じかもしれません。

ISO25600は明るくて滑らかな感じですが、言い換えればボヤっとしている感じかもしれません。

それでは背景が黒くて文字が白い部分を拡大してみます。

背景が黒く文字が白い部分を拡大したISO100と25600の比較画像

先程と同じくこのような違いです。

現状はヒストグラムを「最小値1168」「最大値21357」に合わせています。

ここでヒストグラムの違いを考えたいのですが、ヒストグラムの左側と右側にそれぞれ違いがあります。

  • ISO100:左側はギリギリ、右側は広く空いている
  • ISO25600:左側は若干余裕があるが右側はギリギリ

ヒストグラムを拡大して比較してみます。

総露出時間が同じ場合の「ISO100・30秒・1枚」と「ISO25600・1/8・240枚」のヒストグラムの違い

左のレベルを「1168」に合わせていますが、ISO100はギリギリ、ISO25600は少しまだ余裕があります

と言うことで、最小値と最大値レベルをそれぞれ使われている部分までギリギリまで絞ってみると写真がどうなるのかやってみます。

使われている部分までレベルを切り詰めたISO100と25600の比較

使用している範囲までレベルを切り詰めたISO100と25600の比較写真です。

使われている部分までレベルを切り詰めた時の最小値・最小値レベルはそれぞれ

  • ISO100:最小値=1400、最大値=16100、使用している幅=14,700
  • ISO25600:最小値=1850、最大値=21050、使用している幅=19,650

となります。

これがどういう意味なのか僕にはわかりませんが、使用されている部分までレベルを切り詰めた写真を比較すると、レベルと切り詰める前と比べてISO100は明るくなり色が出ており、ISO25600は暗くなり色が薄くなりました。

それでは青・赤・緑付近を拡大してみます。

レベルを切り詰めた場合のISO100と25600を青・赤・緑付近を拡大した比較写真です。

レベルを使われている部分まで切り詰めると、ISO100はディテールがハッキリしていて明るくなり色も出ています。

対してISO25600はディテールは滑らかと言えばそうですが、少しボヤっとしていて暗くなり、色が薄くなりました。

更に赤い部分だけ拡大してみます。

使われている部分までレベルを切り詰めた場合のISO100とISO25600の赤い部分を拡大した比較写真です。

レベルを使われている部分まで切り詰めた場合、ISO100はギザギザしているが明るくて色が出ている

対してISO25600は滑らかだけど暗くて色が出ていない

で、ここで気になるのが画像処理してどんな感じになるかです。

主観で綺麗だと言うのは人それぞれだし、画像処理のやり方で比較できなくなってしまうので、RGB(赤・緑・青)の明るさレベルを全く同じにできれば比較しやすくなるのでやってみます。

同じポイントのL/R/G/Bの明るさを揃えて比較

白いポイント「3050,2160」(Mの文字付近)の各明るさR:212、G:239、B:255、L:144.7に正確に合わせて比較してみます。

(ポイントは同じでも、カメラの設定を変えたりする時にカメラを触るので1~2ピクセル位ズレていると思いますが・・・)

明るさレベルを完全に一致させた場合の総露出時間を30秒に合わせたISO100と25600の比較写真と比較レベル

広角だと違いがわかりにくいので、青・赤・緑付近を拡大してみます。

明るさを白いポイントで完全に合わせた総露出時間30秒のISO100と25600の青・赤・緑の拡大比較写真

ISOO100の方がディテールがクッキリしている感じですが、わかりにくいので更に赤い部分を最大限に拡大してみます。

明るさを白いポイントで完全に合わせた総露出時間30秒のISO100と25600の赤の部分を最大限に拡大した比較写真

この結果から、ISO100はディテールがクッキリしている反面、色ムラが目立つ感じがします。

対してISO25600はディテールはややボヤっとしている反面、滑らかで色ムラも緩和されて目立たない感じがします。

天体写真で考える場合

天体を撮影する場合は3種類のパターンがあると思います。

  • 赤道儀とオートガイドを使う方法
  • 赤道儀だけ使う方法
  • 赤道儀を使わない撮影方法

それぞれ考えてみたいと思います。

赤道儀とオートガイドを使う方法

赤道儀をオートガイドを使う方法ですが、ISO感度を低感度で撮影すれば一見ディテールがハッキリした写真が出来上がりそうですが、オートガイドは星が少しずれた分を補正しながら撮影する訳ですから、その分止まっている物を撮影するよりもディテールは下がると思います。

まだ僕は天体で同様のテストを行っていませんが、いろんな方が総露出時間が同じであれば変わらないとおっしゃってるのは、もしかしてそういう事かもしれません。

ディテールだけの問題でもないですが、わざわざ低感度で撮影する必要もないかもしれません。

もちろんISO感度が800や1600位までしかないカメラならISO800やISO1600で数分~数十分撮影しないと鮮やかに天体が映らないのでオートガイドをする必要がありますが、今のカメラはISO12800も普通になってきていますし、PENTAX-KPは819200まであります。

なので、もしISO感度が12800や25600以上などで撮影できるカメラであれば、オートガイドをしなくても短時間露光で数多く撮影して自動コンポジットをすれば殆ど変わらない天体写真ができるんじゃないかと思います。

オートガイドは低感度のカメラしかない場合や超長焦点距離でF値が暗い望遠鏡(シュミカセやマクストフetc)などで星雲などを撮る場合、LRGB合成する場合などに必要な感じかもしれません。

また、オートガイドで撮影すれば事前の準備の手間は掛かるけど、後でコンポジットする手間が少なくなりますし、オートガイドなしでは準備の手間暇はなくなるけど、後で自動コンポジットと言えども後処理に時間が掛かる

長時間露光は1回撮影中に他の光が入ったり雲が入ったり、ガイドミスで失敗すると非常に時間が勿体なくてヒヤヒヤしますが、短時間露光はそのリスクが緩和されます。

そんな感じでしょうか。

まぁオートガイドは使っている人のを見ただけで使ったことないのでよくわかんないですが・・・

赤道儀のみ使う方法

僕はオートガイドがないと綺麗な天体写真が撮れないのかと思っていましたが、今回のテスト結果で総露出時間を合わせれば同じような写真ができる気がしてきたので、オートガイドはなくても良いかもと今は思ってます。

なので今まで通り赤道儀だけで高感度の短時間露光で数多くコンポジットする撮影方法でしばらくやっていこうと思います。

現在ISO25600を基本に撮影しているのですが、ISO1600で1回10分で総露出時間を60分で綺麗に撮影できる天体なら、ISO25600で1回37.5秒の露光で96枚撮影してコンポジットすれば良いことになります。

96枚のコンポジットなら自動コンポジットで簡単にできます。

赤道儀だけでも1100mmの焦点距離で30秒~1分なら星がピタッと動かない程度に撮影できますし、焦点距離がもっと低ければ1分~1分半などでも露光できるでしょうから、もっとコンポジット数を減らせます。

今までISO25600で20枚前後のコンポジットしかしていなかったので、今後は総露出時間を60分前後に合わせて多数枚コンポジットをしようと思います。

なので今まで通り赤道儀だけで撮影していこうと思います。

もちろん、オートガイドがあればオールマイティなのであるに越したことはないでしょうけどね。

赤道儀を使わない撮影方法

赤道儀を使わない撮影方法は、星が動いてしまうので短時間で1回の撮影を終えなければいけません。

なのでISO100などの低感度ではなく、感度をできるだけ上げて1回の撮影時間をできるだけ短くして数多くコンポジットする事で赤道儀を使用した場合と同じ位の写真が撮影できるんじゃないかと思います。

星空写真を撮影するならISO感度を上げて露光時間をできるだけ短くして多数枚コンポジットすれば星が動かなくて良いと思います。

星空写真を撮っている方のデータをチェックして、例えばオートガイドを使ってISO1600で1枚10分で総露出時間が30分で綺麗に出来上がっている星空写真なら、ISO102400などに感度を上げて1枚約10秒を180枚コンポジットすれば赤道儀がなくても同じような天体写真が撮れるんじゃないかと思います。

ただ、使用するカメラによって常用感度とか拡張感度とかあるでしょうし、最大のISOで良いとは思いません。

ご自身のカメラでテストしてみたら良いと思います。

僕も今回はISO25600までしかテストしていませんので、後日ISO51200以上でテストしてみようと思います。

で、僕はまだ星空写真殆ど撮ったことがないのですが、赤道儀なしでどれだけ綺麗に星空写真が撮影できるかも今度テストしてみようと思います。

天体写真が手軽になった

今は高感度カメラがたくさん出てきています。

カメラ単体でもコンポジットさえできれば綺麗な天体写真が撮れると思うので、赤道儀を買えない人でも是非ともコンポジットを増やしてチャレンジしてもらえたらと思います。

自動コンポジットはステライメージ8が便利ですが、無料の「DEEP SKY STACKER」もありますよ。

英語ですが、日本語で使い方を書いたサイトもあるのでググってみて下さい。

とにかく天体写真は難しい、お金が掛かると言うしきい値が下がって、もっと天文ファンが増えれば良いなぁと思います。

とりあえず、暖かくなったら1度天体写真でテストしてみようと思います。

ただ、僕はオートガイドを持ってないので、短時間露光で多数枚コンポジットのテストしかできませんが・・・

P.S 今回のテストではどっちが良い?綺麗?かは僕には良くわかりませんが、ヒストグラムからは多数枚コンポジットの方が広いレンジ範囲を使っていると言うのは明らかでした。

カメラで言えばこれは何を意味するんでしょうか?

天体写真で言えばこれは何を意味するんでしょう?

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