ステライメージだけで星マスクを作った時に大きな恒星がきちんとフォローできない事ってないですかね?
微恒星は問題ないけど大きな星のところだけイマイチ納得いかなかったんですよね。
そこで大きな恒星だけ囲って比較明合成を使ったら綺麗な星マスクできたので記事をアップしたいと思います。
レタッチソフトもあったら簡単なんですけどね。
比較明合成を使った星マスクの作成
最初はこれまでの「星マスクの作り方~ステライメージ8編~」で書いたやり方で作って、大きな恒星だけ比較明合成を使う形になります。
今回使うのはM8(干潟星雲)とM20(三裂星雲)、それからM21と火星が写った焦点距離320mmの天体写真です。
フラット補正は行っておいて下さい。
それではステライメージ9を使って作成してみます。
選択マスクで微恒星マスク作成
元画像から「選択範囲」→「選択マスク作成」で微恒星のみを取り出し、データのある付近まで最大値を絞っておきます。
レベル調整だけで星雲を消した星マスク作成
元画像を複製してモノクロ化し、レベル調整で最小値側を上げて星雲を消します。
星雲が消えたら最大値側をデータがある付近まで絞ります。
微恒星マスクとレベル調整だけで星雲を消した星マスクを比較明合成
作成した微恒星マスクとレベル調整だけで星雲を消した星マスクを比較明合成します。
これまでは今までの星マスクの作成と同じ手順です。
以前の方法はこの状態からマキシマムフィルターで星像を少し大きくし、少しガウスぼかしを掛けて完成していました。
次からが追加した方法です
一番大きい恒星を残した星マスクの作成
元画像を複製してモノクロ化し、一番大きい恒星を選んで必要なところまでレベル調整で最小値側を上げます。
最大値側はデータがある付近まで絞ります。
今回は火星が一番大きかったので、火星を見ながらレベル調整しました。
最も大きい恒星だけ比較明合成
これまでに作成した「最も大きい恒星の星マスク」と「微恒星マスクとレベル調整の星マスク」の2枚を使用します。
「微恒星マスクとレベル調整の星マスク」の最も大きい恒星(今回は火星)を選択範囲で囲み、「最も大きい恒星の星マスク」を比較明合成します。
一見綺麗に合成されたように思うかもしれませんが若干明るさが違います。
選択範囲を外すと下記のように良くわかります。
この画像は選択範囲で囲った部分の外側の輝度が「0」、内側が「11」位になっています。
ですので、選択範囲の外と中の輝度を確認して選択範囲内の明るさを下げます。
※選択範囲内をトーンカーブやレベル調整でもOKです。
※「選択範囲をコピー」「選択範囲を貼り付け」機能を利用する事で同じ選択範囲内を何度もやり直せます。
すると強調しても殆どわからなくなります。
ただし、強調すると少し違和感があるのがわかります。
ただ、このまま星マスクと使用はしません。
この後にマキシマムフィルターで少し星像を大きくして、若干ガウスぼかしを掛けてから使用すると思います。
そうすると全く違和感がなくなります。
今回はマキシマムフィルター「半径2」、ガウスぼかし「半径2」としました。
これで微恒星から大きな恒星まで入った星マスクが完成しました。
ステライメージだけじゃなくていろんな画像処理ソフトで可能だと思うので、良かったら一度試してみて感想をコメント下さい。
動画
微恒星から大きな星までフォローする比較明合成を使った星マスクの動画も作ってみました。
【動画】微恒星から大きな恒星までフォローする比較明合成を使った星マスク
- 00:35 微恒星だけの星マスク作成
- 01:23 レベル調整だけの星マスク作成
- 02:09 レベル調整の星マスクと微恒星マスクを比較明合成する
- 03:04 今までの僕が作った星マスクでトーンカーブした時の不具合
- 03:59 大きい恒星を残した星マスクの作成
- 04:34 選択範囲で囲って大きい恒星だけ比較明合成
- 07:50 比較明を使った星マスクでトーンカーブをしてビフォーアフター
スターシャープを使った星雲マスク
この「微恒星から大きな恒星までフォローする比較明合成を使った星マスク」とスターシャープを使う事で星雲マスクも作成できます。
その記事は別途作成してアップしたいと思います。