星図を見ていると星にギリシャ文字でバイエル符号(バイエル名)が付けられていますよね。
「α」「β」「γ」位は読み方(カタカナ)を知っていたけどわからないギリシャ語が多い。
別に普通は困る事はないのですが、僕は撮影した星座の天体写真で星図を作っていた時にキーボードで何て打てばいいのかわからなかったので調べてみました。
星のバイエル符号の読み方(カタカナ)
星のバイエル符号のギリシャ文字と読み方(カタカナ)です。
α | β | γ | δ | ε | ζ | η | Θ | ι | κ | λ | μ |
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アルファ | ベータ | ガンマ | デルタ | イプシロン | ゼータ | イータ | シータ | イオタ | カッパ | ラムダ | ミュー |
ν | ξ | ο | π | ρ | σ | τ | υ | φ | χ | ψ | ω |
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ニュー | クシー | オミクロン | パイ | ロー | シグマ | タウ | ウプシロン | ファイ | カイ | プサイ | オメガ |
バイエル符号は明るさ順とは限らない
写真星図を作っていて気が付いたのですが、
うしかい座はβ星ネカル(3.49等級)よりγ星セギヌス(3.04等級)の方が明るいですし、へびつかい座のβ星ケバルライ(2.76等級)よりγ星サビク(2.43等級)の方が明るい
です。
そういうの結構あるんです。
もっと暗い星なら益々前後する事があります。
また、α星自体がない星座(ほ座・とも座・こじし座・じょうぎ座)もあります。
では、何で微妙に明るさ順ではない事があるのか?
当時の星の明るさの計測技術
ドイツの天文家ヨハネ・バイエルさんは1600年頃の人物。(そもそも天文家でもないみたいですが、僕からすると天文家です
。)
その当時の星の明るさを計測する技術は当然今とは全く違いますよね。
今では1.05等級などと1/100まで計測する技術がありますが、バイエルさんの当時はもっと大雑把な計測方法だったらしいです。
なので今のように正確な測定はできないので、明るさが前後することがあるんですね。
変光星のバイエル符号
変光星と言えば、有名なのが2等級~10等級位まで明るさが変わるくじら座のο星ミラ。
こんなに明るさが変わる変光星にバイエル符号を付けるのは難しいですよね。
ミラはο星となっていますが、明るさの平均を取ったのか?それとも計測した日のまま記載したのかわかりませんが、僕がバイエル名を決めるならミラが見える時期だけ明るさを定期的に計測してその平均を取るかなぁと思います。
他にも有名な変光星としてオリオン座のα星「ベテルギウス」やさそり座のα星「アンタレス」、ペルセウス座のβ星「アルゴル」などがありますね。
天体写真を撮る時や人に天体の位置を伝える時にバイエル名が役に立つ
天体写真を撮っていると撮りたい星雲や銀河などを星図で探す作業をするので、目で見える明るい星を基準に探すので自然に覚えていきますよね。
赤道儀で自動導入をして天体写真を撮る時も、星の名前で検索したりするのでメジャーな名前の付いたα星やβ星は何となく覚えてきます。
と同時に何となくバイエル名も覚えてくる感じになってきますね。
また、人にその天体がどの辺にあるのかって言うのを星空の下で説明する時にも役に立ちますよね。
「あの明るく赤い星がα星のベテルギウス」って指さしながら説明すると、お互いα星が明るいって事を知っていればわかってもらえますよね。
そうやって星雲の位置などを人に伝える時に何となく役に立っている気がします。
400年も前に星に符号を付けたって言うのは凄い事ですよね。
今回はバイエル符号について勉強してみたのですが、普段ステラナビゲーターを使っていると便利なだけじゃなくていろいろ勉強にもなります。