撮影方法

赤道儀で追尾すると星が流れる時の対処法(バランス崩し編)

赤道儀で追尾すると星が流れる時の対処法(バランス崩し編)

赤道儀を使っているのに星が流れる時と流れない時ってないですか?

自分の赤道儀は追尾精度が悪いのか?

一眼カメラと広角レンズで星を追尾しているとあまり気にならないと思いますが、望遠レンズや望遠鏡を使用して天体写真を撮影していると星の流れが凄く気になると思います。

僕はずっとバランスはきちんと合わせないといけないと思い込んでいたのですが、いくらバランスをきちんと合わせても星が流れたり流れなかったりする訳です。

そこで試行錯誤して、正解かどうかわかりませんが気が付いた事があるので皆さんにご報告します。

で、よく赤道儀のバランスを合わせるって聞くんですが、バランスを合わすと星が流れ易くなるって事に気が付きました。

そこで、今では撮影する方向に合わせて赤道儀のバランスをある方向に崩す事で星を流れにくくして本来の赤道儀の性能を発揮させようって方法を取っています。

とりあえず星の追尾は赤経側が関係しますので、赤経を中心にお話ししていきますね。

赤経方向(星の追尾回転方向)

  • 東から南へ追尾してる時はバランスウェイトを若干下にずらしてバランスを崩す
  • 南から西へを追尾している時はバランスウェイトを若干上にずらしてバランスを崩す

って感じです。

赤緯方向(望遠鏡が回転する方向)に関しては、

  • 追尾に関して関係ないので普通にバランスを合わせている(オートガイドなら回転方向とは逆方向に負荷が掛かるように望遠鏡を前後させる)

はっ?何言ってんの?バランスは崩しちゃいけないでしょ?って思うかもしれませんが、僕は最近これに気が付いてから撮影方向に合わせてバランスを崩すようにしています。

また、赤道儀には得意な位置と不得意な位置がある事もあるように思います。

これは赤道儀だけの追尾(ノータッチガイド?)の時にやっている事で、僕はオートガイドがないのでそれは試したことがないのでわかりませんが、別にオートガイドであろうと関係すると思っています。

ポータブル赤道儀(ポタ赤)でも原理は同じだと思いますので、バランスウェイトがあるとかないとかありますが、原理を知れば対策方法が出てきますので、星が流れちゃう場合は一度試してみて下さい。

極軸合わせが完璧でも、これをやっていないと星が流れたり流れなかったりするはずです。

動画で見る方は下記からどうぞ。

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東から南を追尾する場合

とりあえず赤経側(星の追尾側)も赤緯側(望遠用が回転する側)もバランスを合わせておいて下さい。

で、東から南(南東)を撮影する時の赤道儀の向きはこんな感じですよね。

下記は上側が南で手前が北向きです。

南側の空を見て立っているイメージでお願いします。

一眼カメラと望遠鏡で南東側を撮影している時の赤道儀の向き

この状態のバランスウェイトの向きを見て下さい。

写真の左下に傾いていますよね。

南東側に向けると赤道儀のバランスウェイトは左下に傾きます。

この状態で星を追尾するとバランスウェイトはドンドン上に上がっていきます。

南東側に向けた赤道儀で星を追尾するとバランスウェイトは上に上がります。

今、バランスを合わせているのですが、この状態でバランスウェイトをやや下に下げます

バランスウェイトの上側に白いテープを巻いています。

こんな感じです。

バランスが合っている状態のバランスウェイトの位置(南東側を向けた時の赤道儀)

バランスが合っている状態からバランスウェイトを下に下げる。(南東側を向けている赤道儀)

すると逆回転方向に負荷が掛かって回りにくくなる(重くなる)形になります。

これで星が流れにくくなります。

どの位下げるかですが、その積載重量などで変わります。

なので僕の場合は1~2㎝位ずつ下げて撮影し、星が流れていないか確認しています。

バランス感覚的にはロックを外して赤経軸を90度にして、上方向よりも下方向にややバランスが偏っている程度の位置です。

ロックを外してもバランスは何とか保っているけど、手で軽く触ると下に下がる位な感じですかね。

で、その状態で星を撮影(露光)して流れるか流れないかを確認する感じです。

ギアが落ち着くまでは流れますので、何枚か撮影して確認してみて下さい。

バランスの崩れ具合が良ければ星が流れにくくなっていると思います。

星が流れない位置が決まれば、印を付けておけば今後楽になるかと思います。

南から東を追尾する場合

南から東を追尾している時の赤道儀は向きはこんな感じ。

下記も正面が南で手前が北向きです。

この状態のバランスウェイトの向きを見て下さい。

写真の右下に傾いていますよね。

バランスウェイトが右下に傾いている赤道儀(南西側を追尾している場合)

この時、星を追尾していると赤道儀のバランスウェイトはドンドン下に下がっていきます。

追尾するとバランスウェイトが下に下がっていく赤道儀の様子(南西側を追尾時)

写真のバランスウェイトの位置でバランスが合っているとすると星は流れます

なのでこの状態から上方向にバランスウェイトを少し上げると星は流れません

バランスが合っている状態の赤道儀(南西側を追尾時)

赤道儀のバランスウェイトを上に上げてバランスを崩す(南西側を追尾時)

先程と同じように、この状態で星を撮影(露光)して流れるか流れないかを確認をします。

要するに

  • 追尾している時にバランスウェイトが上に上がっていく時はバランスウェイトを下方向にずらしてバランスを崩す
  • 追尾している時にバランスウェイトが下に下がっていく時にバランスウェイトを上方向にずらしてバランスを崩す

と言う事です。

本来は赤道儀の傾きによって、常時バランスウェイトも移動させるべきなのですが、そんな自動バランスウェイト赤道儀なんて今のところありませんので、星が流れたらバランスウェイトを調整する感じですね。

赤道儀のバランスを崩す理由

赤道儀にはモーターボックス内にウォームホイールとウォームギアが噛み合っており、更に外側にウォームホイールが2つ噛み合っています。

とりあえず僕の赤道儀の外側のウォームホイール2つが噛み合っている部分で説明しますね。

実際の僕の赤道儀のモーターカバーを外して外側のウォームホイール2つを見るとこんな感じです。

赤道儀の赤経側の外側のウォームホイール

どんなギアにもバックラッシュってものがありますよね。

ギアがちょうど真ん中にあれば回転方向にも逆回転方向にも同じバックラッシュがありますよね。

こういう状態ってギアは不安定になりますよね。

実際にはちょうど完璧にギアの左右均等に力が掛かっている事なんてことはないのでどちらかに力が掛かっているのですが、その力の掛かり具合が弱くてギアが不安定に回るんだと思うんです。

どちらか一方に力が偏っていると一定に回り易い

回転方向に力を掛けるか?逆回転方向に力を掛けるか?です。

  • 1.回転方向に力を掛けるとモーターの負荷が弱くなるので早く回ろうとする。
  • 2.逆回転方向に力を掛けるとモーターに負荷が掛かるので遅く回ろうとする。

不安定な状態より上記のどっちかの方が安定するんだと思います。

で、どちらが良いかと言うと、僕は「2」の逆回転方向に力を掛ける方が良いんじゃないかと思ってます。

「1」の回転方向に力を掛けるのは坂道を下るイメージで、「2」の逆回転方向に力を掛けるのは坂道を上るイメージ。

車で言うなら坂道を下る時と上る時のイメージ。

坂道を下るより上る方が安定すると思うんです。

坂道を下る時の車ってブレーキコントロールが難しい。

アクセルを踏まなくてもドンドン加速してしまうので、ブレーキを一定に調整しなければいけませんよね。

逆に登りだとアクセルを一定に踏んでおけば、ブレーキを踏まなくてもいいですよね。

モーターも回転方向とは逆にはブレーキの効果があると思うのですが、同じ速度を保とうとする時、早く回ろうとする物を遅くするより、遅い物を早く回そうとしている時の方が安定すると思うんです。

赤道儀ってモーターの回転力、つまり車で言うならアクセルが一定と言うのが同じだと思うんですよ。

なので負荷が掛かるようにしてあげると、車で言う坂道を上る状態になるんだと思うんです。

なんかうまく説明できないのですが・・・

そんなこんなでとにかく回転方向と逆に負荷が少し掛かるようにしてあげる事で星の追尾がうまくいくようになりました

これをやらない時は殆どの星が流れたり流れなかったりしてたんですよ。

ずっと疑問に思っていました。

もちろん流れない時もありましたが、結局それって赤道儀の傾き加減でたまたまバランスがうまく崩れて流れない時があっただけなんだと思うんです。

それがこの負荷が掛かる方向にバランスを崩す方法を取ると星が点になって流れない

もちろん限界はありますよ。

ただ、しっかりこの赤道儀の性能を出せているって感じがするんですよ。

なので僕は撮影する方向に合わせてバランスウェイトをその都度調整して追尾・撮影をしています。

赤道儀には得意な向きと不得意な向きがある

こうやってバランスを調整しながら撮影していると、赤道儀には得意な向きと不得意な向きがある気がします。

写真で言うなら下記のような位置ではバランスが難しいと思うんです。

赤道儀で星を追尾するのが苦手なバランスウェイトの位置。この位置に来るとバランスが非常にシビアです。

この位置にバランスウェイトがある場合は、モーターはドンドン加速して回ろうとすると思うんです。

なのでバランスウエイトが上の写真の赤い範囲にある場合は頻繁にバランスを調整しないと星が流れる

逆に下記の写真の赤い範囲だとバランスが安定し易いのでバランスウェイトの調整は頻繁にしなくて良くて楽です。

赤道儀での星の追尾が安定し易いバランスウェイトの位置です。

なので、なるべく赤道儀が得意な位置に天体がある場合に撮影する方が良さそうです。

とにかく、負荷を掛ける方向にバランスを崩す事と得意な向きがあるって事を意識してバランスを調整してあげると星があまり流れなくなりました

ビックリする位効果的だったので、星が流れたり流れなかったりする方は一度試してみて下さい。

天体望遠鏡だけじゃなくて、一眼カメラとカメラレンズで撮影する時も安心して撮影できると思います。

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